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◆宅建業免許申請 営業保証金 保証協会◆

営業保証金制度

 営業保証金制度とは、宅建業の取引に関して発生する損害等に備えて、一定金額を供託する制度です。もし、宅建業者から損害を受けた場合に取引の相手方は、その供託金から確実に一定額の弁済を受けることができます。
 宅建業者は、新規免許を受けた後(免許者から免許通知が届いた後)3カ月以内に主たる事務所の所在地を管轄する供託所(法務局)にすべての事務所の供託金を供託しなければなりません。そして、その供託したことを宅建業の免許を受けた都道府県知事または国土交通大臣に届け出なければ、宅建業の事業を開始することはできません。
 ※この場合、後述する保証協会へ加入しようとする日までに、弁済業務保証金分担金を保証協会に現金で納付した場合には営業保証金の供託は不要です。
 供託額は以下の通りです。

●主たる事務所(本店)……1000万円
●従たる事務所(支店)……事務所ごとに500万円

 例として、主たる事務所と2か所の従たる事務所を開設しようとする場合は、2000万円(1000万円+500万円×2)を主たる事務所の所在地を管轄する供託所に供託しなければなりません。さらに事業開始後、新たに事務所を新設する場合には、500万円を主たる事務所の所在地を管轄する供託所に供託することになります。
 また、営業保証金の供託は、金銭のほか、特定の有価証券によってもすることができます。もちろん、金銭と優勝権を組み合わせてすることもできます。
 しかし、有価証券は、必ずしも額面通りの信用力があるとは限りません。その評価額は下記のようになります。

●国際証券……………………………………額面の100%
●地方債証券または政府保証債券…………額面の90%
●その他の国土交通省令で定める証券……額面の80%

※株式、手形、小切手は国土交通省令で定める証券には含まれず、営業保証金とすることはできません。株式等はその価値がゼロになってしまう可能性があるからです。

営業保証金の保管換え

 営業保証金は事務所の所在地を管轄する供託所に供託しなければなりませんが、主たる事務所を移転した場合には、移転後の事務所の所在地を管轄する供託所に営業保証金が保管されなくてはなりません。
 この保管換えの方法は以下のように2つあります。

●営業保証金の供託が金銭のみの場合
 →宅建業者は、遅滞なく、営業保証金を供託している移転前の供託所に対して、移転後の主たる事務所の所在地を管轄する供託所へ、営業保証金を保管換えするように請求します。

●有価証券のみによる場合、金銭と有価証券の併用の場合
 →宅建業者は、遅滞なく、移転後の主たる事務所の所在地を管轄する供託所へ、新たに営業保証金を供託しなければなりません。その後、移転前の供託所から供託金を取り戻すことができます。移転前の供託所から営業保証金を取り戻した後に、その営業保証金をもって移転後の供託所に供託することはできません。

営業保証金の還付

 営業保証金の還付ですが、宅建業者はもちろん還付を受ける権利を有していますが、還付を受けられる額は、営業保証金として供託されている額が限度となります。
 例えば、主たる事務所と従たる事務所1つの場合で1500万円営業保証金をお供託していた場合には、債権額が1800万円でも1500万円までしか還付を受けられません。この場合で、従たる事務所において取引を行った相手に対しても1500万円が限度額であって、従たる事務所だからといって500万円が限度額となるわけではありません。

保証協会制度

 もう一つの保証制度である保証協会制度とは、宅建業者は、原則として宅建業を営むためには営業保証金を供託しなければなりません。しかし、営業保証金は最低でも1000万円が必要とかなり高額です。そこで、営業保証金の100分の6の額を負担することで、事業を開始することができる制度が保証協会(宅地建物取引業保証協会)の制度です。
 数多くの宅建業者から保証協会に一定額の金銭が納付されることで、保証協会に多額の資金が集まり、その保証協会に集められた多額の資金をもとに、宅建業との取引を行った相手を保護しようとする仕組みになっています。
 弁済業務保証金分担金は以下のとおりです。(加入の際には別途入会金が必要です。)

●主たる事務所……60万円
●従たる事務所……事務所ごとに30万円

 もし、保証協会に加入しようとする場合には加入しようとする日までに、弁済業務保証金分担金を保証協会に現金で納付しなければなりません。加入後に納付することや、営業保証金制度と違って有価証券で納付することはできません。
 また、事業開始後新たに事務所を設置した場合はその日から2週間以内に弁済業務保証金分担金30万円を納付しなければなりません。

 保証協会は、国土交通大臣から指定を受けた社団法人です。宅建業に関して、苦情の解決、従事者に対する研修、取引により生じた債権の弁済等の業務を行っています。

 保証協会へ加入する場合には、各協会の定める基準によって審査等(説明などへ参加しなければならない場合があります。)が行われますので、入会審査等に日数がかかります。保証協会へ加入を希望される場合には、免許申請と同時進行で保証協会加入手続き準備を進めるのが良いでしょう。もし、時間をかけたくない、しかも資金的に余裕のある場合には営業保証金を供託し営業するのが良いでしょう

弁済業務保証金の還付

 営業保証金制度と同様に、宅建業に関する取引により生じた債権が還付の対象となります。この債権には、保証協会に加入している宅建業者が保証協会に加入する以前に行った取引により生じた債権も含まれます。そして、保証協会の認証を得て、保証協会から受けられる弁済の限度額は、営業保証金制度による還付と同様の限度額の弁済を受けることができます。

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